・平成28年度「行動方針」
平成27年度「行動方針」
平成26年度「行動方針」
平成25年度「行動方針」
平成24年度「行動方針」
平成23年度「行動方針」
平成22年度「行動方針」
平成21年度「行動方針」
平成20年度「行動方針」
平成19年度「行動方針」
平成18年度「行動方針」
平成17年度「行動方針」


 

政府による本格的な同和対策は、昭和44年(1969年)7月に「同和対策特別措置法」が制定されてからで、その後、「同和対策特別措置法」は3年間の延長を経て、昭和57年には「地域改善対策特別措置法」、昭和62年には「地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」に名称を変え、5回の延長で33年間続けられた。

「同和対策特別措置法」制定から47年の歳月が流れる中、同和地区の環境は大きく変貌し、国民の人権意識の高揚から、同和関係者に対する差別意識も大きく改善されてきているが、未だに、結婚や移住に忌避意識が存在し、完全解決には至っていない。

平成8年(1996年)の「地対協」意見具申では、「部落差別が現存するかぎりこの行政は積極的に推進されなければならない」とし、更に「特別対策の終了、すなわち一般対策への移行が、同和問題の早期解決を目指す取組の放棄を意味するものでないことは言うまでもない。一般対策移行後は、従来にも増して、行政が基本的人権の尊重という目標をしっかりと見据え、一部に立ち遅れのあることも視野に入れながら、地域の状況や事業の必要性の的確な把握に努め、 真摯に施策を実施していく主体的な姿勢が求められる」としており、私ど

もも、同和問題をはじめとするあらゆる人権問題の被害者を簡易・迅速・柔軟に救済する「人権擁護法案」の成立を求めて運動を展開してきたが、広汎な人権問題を包含する「人権擁護法案」は現況では困難であると判断し、未だに完全解決に至っていない同和問題を解決するために、「人権擁護法案」の関連法として、当面は同和問題に特化した個別法の成立を求めて行く。

この間、「障害者差別解消法」、「障害者虐待防止法」「児童虐待防止法」「高齢者虐待防止法」「男女共同参画基本法」等々の個別法が制定されているが、被害者の救済措置が十分ではないことから、「人権擁護法案」を合意形成ができる内容に見直し、成立を求め続ける。

「障害者差別解消法」が本年4月から施行されることで、同法第6条に規定する「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」が昨年の2月に策定公表され、各省庁においても「国等職員対応要領」と「事業者のための対応指針」が作成された。よって、これらに基づいて各省庁は本年度から各種施策を策定することになるので注視していく。

障がい者の雇用については、平成25年4月からは法定雇用率が、民間企業は1.8%から2.0%に、国及び地方公共団体は2.1%から2.3%に、都道府県等の教育委員会は2.0%から2.2%に引き上げられたことで、平成27年(6月1日現在)の雇用数や雇用率も過去最高を更新で、民間企業では45万3,133.5人の対前年5.1%(21,908.0人)の増になっており、法定雇用率の達成企業の割合は、47.2%で対前年比で2.5ポイント上昇しているが、未だに過半数に達していないことから企業に雇用の促進を強力に求めていく。

また、厚生労働省は「障害者の雇用の促進に関する法律」に基づき、「障害者に対する差別の禁止に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」と「雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会若しくは待遇の確保又は障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するために事業主が講ずべき措置に関する指針」を昨年3月に決定している。
この指針では、募集採用時や採用後での差別禁止や合理的配慮を定めているので、この指針が守られているかの点検も併せて行っていく。

なお、現在は精神障がい者の雇用は義務化されていないが、精神障害者健康福祉手帳保持者は雇用率に算定できることで、対前年比で25.0%増と伸び率が大きくなっている。

平成30年4月からは義務化されるので、更なる法定雇用率の引き上げが予想される。
ノーマライゼーション(共生社会)の観点からのインクルーシブ教育(特定の個人・集団を排除せず学習活動への参加を平等に保障する)システムの推進として、都道府県が特別支援教育専門家等(早期支援コーディネーターは94人、合理的配慮協力員は282人、外部専門家として、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等が428人、看護師は1,000人)の配置及び連携協議会及び研修による特別支援教育の体制を整備する場合に要する経費の一部を補助する事業が新規で平成28年度の予算に組み入れられたが、これまで実施されたシステム心のバリアフリーの推進として交流及び共同学習(25箇所)、早期からの教育相談・支援体制の構築(40→40箇所・早期支援コーディーネーター役120→120人の配置)、インクルーシブ教育システム構築モデル事業(65→35地域・合理的配慮協力員役130→70人の配置)、特別支援学校機能強化モデル事業(36→25箇所)、医療的ケアのための看護師の配置(約330→330人)についての成果を確認するとともに、予算の拡充を文部科学省に求めていく。

虐待については、「障害者虐待防止法」では虐待行為者の範囲を、養護者と障がい者福祉施設の従事者及び障がい者を雇用する事業主としており、特別支援校や特別支援学級で体罰が表面化している中、虐待の温床になっている病院や学校を加えるよう政府に働きかけるとともに、都道府県では「障害者権利擁護センター」を、市町村では「障害者虐待防止センター」の設置が定められているので、都道府県と市町村に通報状況や対応上の問題などを確認する活動を行う。

学校での「いじめ」については、「いじめ防止対策推進法」が制定されているが、未だに「いじめ」による悲惨な自殺が続いていることから、各学校に設置されている「いじ
めの防止等の対策のための組織」の点検と、スクールカウンセラーの平成31年度までの目標の全公立小中学校(27,500校、平成28年までは25,500校)への設置及びスクールソーシャルワーカーの平成31年度までの目標のすべての中学校区(約1万人、平成28年までは3,000人)への設置を早期に達成するために、予算の更なる拡充とともに、コミュニティ・スクールの拡大を文部科学省に求めていく。
また、地域住民が学校の運営等に積極的に参加する学校地域協議会とも連携し、活用していく。

一方、女性の人権については、平成13年10月から施行された「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(DV法)によって、平成14年4月からは「配偶者暴力相談支援センター」が各都道府県に設置され、業務を開始しており、平成19年7月の改正により、市町村にも配偶者暴力相談支援センターの設置が努力義務となったが、ほとんどの市町村は設置していないことから、その設置を市町村に求めていく (平成27年3月現在、全国247施設で、その内市町村が設置する施設は74施設、目標は100施設)。

なお、この支援センターへの相談件数は年々増加しており、平成25年度は9万9,961件で、平成26年に警察が対応したものでも5万9,072件(平成27年は63,141件で、検挙件数は8,006件)になっている。

また、これまで身体に対する暴力を受けたものに限り、保護命令を申し立てることができたのに対して、平成20年1月からは生命・身体に対する脅迫を受けた者についても、身体に対する暴力によりその生命・身体に重大な危害を受けるおそれが大きい場合には、保護命令を発することができることとなったほか、被害者への接近禁止命令の実効性を確保するため、接近禁止命令の発令されている間について、被害者の親族等への接近禁止命令も発することとされ、さらに、被害者への面会の要求や無言・夜間の電話等を禁止する電話等禁止命令も新設されたことで、平成26年では3,121件の申し立てがされ、2,528件について保護命令が発令された。

よって、少しでも危害を受ける可能性がある場合は、積極的に保護命令を活用して被害を防いでいく。なお、「ストーカー規制法」による認知件数も平成27年では21,968件で、2,415件が検挙され、その内2,242件で逮捕されている。

この「ストーカー規制法」は平成25年6月に改正され、電子メールを対象に加えることや禁止命令等を出すことができる公安委員会の処置が拡大され、国及び地方公共は民間の自主的な組織活動の支援のための体制整備に努めることも明記されたが、相談窓口すら設置していない市町村が多数存在することから、その体制整備を都道府県・市区町村に求めていく。

今後もDVやストーカー被害者の増加が予想されるが、緊急な避難場所としてのシェルター(一時避難所)が不足しているので早急に設置するよう市町村に求めていく。
昨年の8月に成立した「女性活躍推進法」は、女性の地位の向上のため従業員301名以上の企業、国や自治体に女性管理職の割合や採用比率などを数値目標Aすることなど、取り組む内容を本年の4月1日までに、行動計画を策定して公表することを義務付けたものであるが、従業員300名以下の中小企業は努力義務になっているので、実効性があるものにするために、義務付ける企業の従業員数を下げるよう、厚生労働省に要請していく。


住環境整備については、近隣地域との差異がないかを点検しつつも、高齢者・障がい者・妊娠している女性・子どもなど、ハンディキャップがある人たちが自由に社会に参加できる活力ある地域にするため、バリアフリーは当然のこととして、ユニバーサルデザインの用具をも活用する「人権のまちづくり」を視野に入れた取り組みを展開し、ノーマライゼーションを達成する。

バリアフリーの基準としては、介助がない車イスでどこへでも自由に、安心・安全・快適に移動できるものとする。

バリアフリーについては、「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の促進に関する法律」(通称、ハートビル法)と「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」(通称、交通バリアフリー法)を統合した新法「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(通称、バリアフリー新法)が、施行されているので、この「バリアフリー新法」と本年の4月から施行される「障害者差別解消法」を積極的に活用してバリアフリーの建築物を増やしていく。

老朽化した改良住宅・公営住宅の建替えを行う際については、定期借地権などを考慮しつつも、払い下げを積極的に求めて、これを機会に「人権のまちづくり」を具現化する総合計画の策定を市町村に求めていく。

改良住宅・公営住宅の空き家がある場合には、混住化を促進するためにも、一般公募制度を活用し、また、若年層の流入を促すために、就学前の子どもを持つ世帯とか新婚家庭や妊婦については優先入居や割引の導入などの工夫を凝らして空き家をなくしていくとともに、高齢者の孤立死を防止する手立てを講じるよう、市町村に要求していく。

なお、公営・改良住宅の入居者の選定や管理を、未だに地区の自治会や同和運動団体の役員に任せていることは、不正行為や混住化を妨げる温床になることから、公営・改良住宅の管理・運営を市町村が行うよう、市町村に強く要請していく。

批判の対象になっている改良住宅・公営住宅の家賃については、応能応益制度を取り入れ、暫時、見直しを進めていくことになっているが、応能応益制度を取り入れていない市町村には、早急に制度を取り入れ、家賃の見直しをするよう要求していくとともに、家賃の滞納を市町村と協議しながら早急に改善していく。

地域の拠点である隣保館については、運営費の削減や廃止をしたいとの声が聞かれるようになってきた。 これは、隣保館が部落解放同盟の事務所に使われ、公の施設になっておらず、稼働率が低いことにも起因する。

周辺地域との交流事業を活発に行っている館や広く市民が利用している館などにはそのような声は聞こえてこない。 同和地区住民だけの館とか、同和運動団体が勝ち取った施設という考えは、同和地区を特化するだけで、差別の固定化に繋がり、部落解放同盟に甘えを許すだけで、市民の理解を得ることは困難であろう。

公の施設であれば広く市民が利用できる施設にすることは当然であり、広く市民が利用することで交流が生まれ、また、同和対策で住環境が改善された同和地区を眼にすることで、古い同和地区のイメージを払拭させ、差別観を変えることにもなるので、広く市民が利用できるよう、厚労省の改修費補助を積極的に活用してバリアフリー化をも進めていく。

なお、隣保館が廃止される場合には、事前に指定管理者制度や民間委託などを活用できないかを検討しつつも、廃止された場合には支部の役員が同和地区と行政とのパイプ役を担う、地区の世話役を積極的に務めることにする。


同和関係事業者は零細で、かつ、建築・土木関係業者が極めて多いという特定の業種に偏った特有性をもっているので、公共事業が年々減少していくこのような状況で基盤を確立することは非常に困難ではあるが、合理化や近代化を促進するとともに、生き残りのため共同化や協業化を進めていく。

業種転換する場合には、政府が中小・零細業者向けセーフティーネットとして実施している各種融資制度の有効活用や各省庁のホームページで最新の情報等を有効利用するとともに、都府県や市町村と協議しながら、きめ細かな指導をしていく。

未就労者に関しては、ハローワークを最大限活用するとともに、規制の緩和により都道府県も就労の斡旋ができるようになったことと、現在、様々な雇用対策が実施されているので都道府県と連携を図り、未就労をなくしていく。本年4月から「生活困窮者自立支援制度が始まっているので、この制度を積極的に活用していく。

また、専門性を取得するために職業訓練や研修・講座などを有効活用し、就労を確保していく。特に、世界でも類のない高齢化社会に進んでいることで、介護福祉士やホームヘルパーが不足しているため、求人の需要が非常に高くなっていることから資格の取得を奨励していく。

農林漁業者については、TTP(環太平洋戦略的経済連携協定)に参加すれば、安い農産品が輸入されることになるので、付加価値の高いものに移行するとともに、ブランド化を目指し、インターネットを活用して消費者との直販や販売店との直取引など販路の拡大を図っていく。 このことは、畜産、園芸でも同様であり、漁業については、養殖なども検討していく。

なお、本格的に導入された「指定管理者制度」では、すべての公共施設を指定管理者に管理をさせることになっているので、隣保館なども対象になることから、各都府県本部で設置しているNPO法人の実情に合った公共施設の指定管理者になり、雇用の促進ができるよう、都道府県・市町村と協議していく。

いずれにしても、最新の情報を得るため中央本部は各省庁と、都府県本部は都府県と緊密な連携を図り、会員に最新の情報の伝達や相談を行うため、都府県本部内に相談業務を確立していく。

また、就職差別をなくし、安定した雇用を確保するため、厚生労働省が100名以上の従業者を有する企業に設置を求めている「公正採用選考人権啓発推進員」との連携を深めていくと同時に、障がい者の雇用をも促進するため、法定雇用率(常用労働者が50人以上の民間企業は2.0%)を下回る企業については、特に積極的に雇用するよう求めていくが、抜本的に就職差別をなくすため、ILO第111号条約の「雇用及び職業における差別に関する条約」を批准し、国内法を整備するよう厚生労働省に求めていく。


教育・啓発については、既に「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」が制定されており、基本計画も策定実施されているので、この法律を有効活用し、すべての都道府県、すべての市町村に、この基本計画の策定と実施を強く求めていくと同時に、現状に即した内容になっていない場合には見直しを強く求めていく。

また、基本計画には企業の役割も明記されていることから、厚生労働省が100名以上の従業員を有する企業に設置を求めている「公正採用選考人権啓発推進員」との連携を深め、企業内の人権研修の充実に努めていくとともに、未設置の企業には、推進員の設置を求めていく。


高等学校の授業料の無償化は、平成26年度からは所得制限が取り入れられ、国公私立を問わず、高校等の授業料の支援として、月額9,900円を支給限度額として就学支援金が支給される制度に変更され、世帯の年収350〜590万未満は1.5倍、250〜350万円未満は2倍、250万円未満は2.5倍が支払わられ、更に、生活保護世帯や非課税世帯に関しては高校生等奨学給付金制度も設けられているが、高額な入学金が必要な学校も存在することから、都道府県が実施する高等学校等奨学資金制度の一層の拡充を求めていくと同時に、これを機会に各種学校についても、対象に加えるよう要請していく。

大学・短期大学の奨学金は、独立行政法人日本学生支援機構や都道府県などでも貸出を行っており、いずれも所得制限があるものの、現在では5割を超える学生が利用しているといわれている(日本学生支援機構だけでも4割を超えている)。

日本学生支援機構の奨学金は、学力要件のある第1種(無利息)と学力要件の緩い第2種(利息付)とがあり、第2種の場合は毎月貸与する金額が、3万円・5万円・8万円・10万円・12万円と選択できるようになった。(平成28年度予算要求では、有利子84万4千人、無利子47万4千人となり有利子から無利子への流れが加速)また、入学時特別増額貸与奨学金も、10万円・20万円・30万円・40万円・50万円と、入学の時に必要な資金も借りることができる。

国の教育ローン(日本政策金融公庫)は、利息は高いが350万円まで借りることができる。これら奨学資金制度を活用し、大学・短期大学の進学率の向上を図っていくと同時に、所得の格差で教育の格差が生じないよう、大阪市が実施している塾代補助である「教育バウチャー制度」を文部科学省に求めていく。

なお、低所得で奨学金の返済ができず滞納者が増加していることから、「所得連動返還型制度」や「返還免除規定」の導入を求めていたが、平成28年度からは「所得連動返還型奨学資金制度」の導入が決定された。

また、「障がい者基本法」が改正され、インクルーシブ教育が明記され、また、本年4月から「障害者差別解消法」が施行されることで、すべての学校でバリアフリー化が進み、車イスでも通学できるようになると思われるが、文部科学省により一層の促進を求めていくと同時に、児童・生徒の人権を侵害する教師の体罰や差別言動が少なからず発生していることから、教職員に対する人権研修の徹底をも求めていく。

平成20年3月に「人権教育の指導方法の在り方について」(第3次とりまとめ)が、平成21年10月には「人権教育の推進に関する取組状況の調査結果について」が文部科学省でまとめられ、各学校に配布されていることから、その実施を求めていくが、その際には、カリキュラムには最大限の関心を持ち、人権教育が計画的に実施されるよう働きかける。

また、導入することに賛否が分かれている学校選択制度については、同和関係者が多数在籍する学校を敬遠するなど、解決しつつある同和問題を逆行させる可能性と、これまでの学校と地域の一体性が瓦解し、児童生徒が減少する地域は崩壊する可能性もあることから、導入には断固として反対していく。

なお、近年各地で始められた小・中一貫教育については、「学校教育法」が昨年改正され制度化された。その学校の名称は「義務教育学校」になることから、同和関係者が多数在籍する学校を、「義務教育学校」にし、交流を深めて同和問題の解決に繋げていく。

いじめに関しては、未だに全国各地でいじめにより自殺する児童・生徒が続いているが、このような悲惨な出来事をなくすために、「いじめ防止対策推進法」が平成25年6月に成立し、10月には「いじめ防止基本方針」が策定されているので、地方公共団体と各学校に「いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」を定めるよう要請するとともに、併せて、地方公共団体には「いじめ問題対策連絡協議会」の設置を、各学校には「いじめの防止等の対策のための組織」を設置するよう要請していく。

また、いじめ防止のため道徳が重視され、道徳が正式な教科になることから、差別を「しない、させない、見逃さない」ことは最高の道徳だと思われるので、道徳も最大限に活用するよう求めていく。



国家行政組織法の第3条委員会としての「人権委員会」が創設されるまでは、平成15年の3月に20年ぶりに改正された「人権侵犯事件調査処理規程」での対応になるが、差別での泣き寝入りは絶対にさせないとの強い気持ちで、「人権侵犯事件調査処理規程」を有効に活用して救済を図っていく。

多発する学校でのいじめ問題を始めとする様々な人権問題に対処するため、平成25年度からは全国の法務局に3年計画で、企画担当委員として人権擁護委員が常勤する人権擁護体制の強化が図られているので、積極的に人権救済を行っていく。

また、「人権擁護法案」と「人権委員会設置法案」のいずれもが、言論や表現の自由を規制するものだとの批判が巻き起こり、結果的に成立に漕ぎ着けないでいるので、国民の支持が得られるようにするため、人権侵害の定義を誰もが分かり易いものに見直す作業を開始する。

ヘイトスピーチ対策については、現在開催されている国会で、民主党と社民党が提出した「人種差別撤廃推進法」が審議されているが、ヘイトスピーチの定義や言論を規制することに憲法が保障する言論・表現の自由に抵触するとの意見もあり、見通しはたっていない。

法務省は、ポスターの作成や新聞広告など啓発に重点を置いた取組を始めているが、大阪市ではヘイトスピーチ対策として、先般、「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」が可決した。この条例の当初の案では、ヘイトスピーチの定義を定め、5人の委員による審査会を設置し、その審査会が定義するヘイトスピーチに該当するかを判断するとしており、該当すれば氏名又は名称の公表や訴訟支援ができる内容になっていたが、加害者の訴訟支援がなく公平ではないとして削除されたことは残念であるので、見直しを求めて行く。


 



東京の渋谷区は、全国で初めて同性のカップルを「結婚に相当する関係」と認め、証明書を発行する条例を可決させたが、アメリカ合衆国では性的マイノリティーとしてのLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)の婚姻を最高裁判所が認めるとの判決を下した。

我が国においても、夫婦別姓と女性の再婚禁止期間を定める民法は憲法違反とする訴えについて、最高裁判所が夫婦別姓は合憲で、女性の再婚期間については違憲とする判決が出され、政府は再婚期間を離婚後6カ月から100日に短縮し、離婚時に妊娠していない場合は100日以内でも再婚を可能とする民法の改正案を今国会へ提出している。


自由民主党は、LGBTの方々がどのような困難に直面しているのかを把握した上で、社会の理解を促し、差別をなくし不自由さを克服するための具体的な方策を検討するとして、「性的指向・性自認に関する特命委員会」を設置した。

のLGBT特命委員会は5月中旬までに成果を取りまとめるとして、有識者のヒヤリングが進められているが、BASEKOBE代表の繁内幸治さんは、@LGBTに関わる人権教育・啓発は、反差別ではなく、理解促進で。

Aカムアウトできる社会を目指すのではなく、する必要のない社会へ。
B人権教育・啓発は、全国あまねく公平に。
CLGBTの活躍は、多様性を尊重する社会への試金石。
D人権文化の醸成には、議論を深める時間と過程が重要。
と話されたが、私どもの運動と全く同じで、すべて共感できるもので、最後に「早急な反差別の法制化は、様々な対立を招く。急ぐのではなく、塾議を経てより多くの賛同を得る努力が重要。理解を深める過程で生じる不適切発言には、当事者は過剰に反応しない。社会は、必要以上に煽らない努力を。不適切発言を、相互理解を深めるチャンスに変える。と話された。

このことは、今までの私どもの運動に欠けていたことばかりで、差別された怒りが余りにも前面に出過ぎていたことに反省するとともに、今後の運動は、寛容さを前面に出した運動を目指し、私どもの人権を含めて、国民の一人々の人権が守られる人権確立社会の構築を目指していくことにする。
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